臨床試験や臨床研究の解析方法は事前に明確に定められるべきです。しかしながら、医療施設が研究目的で収集したデータセットなど、解析方法を事前に設定するのが難しい状況があります。また、臨床試験や臨床研究で、規定された統計解析を実施した後に、 post hoc な解析を行うこともあります。
このような状況では、一般的に回帰モデルによる(線形予測子に2つ以上の説明変数が含まれるという意味での)多変量解析が実施されます。しかし、モデルを事前に完全に特定せず、その事実を無視して解析すると、通常は推定にバイアスが生じます (Chatfield C. Model uncertainty, data mining and statistical inference. J R Stat Soc Ser A 1995;158(3):419-66.) 。また、欠測も生じやすくなります。欠測例を解析から除いたり、欠測を単純に取扱うと、検出力が低下し、推定にバイアスが生じます (Greenland S. Finkle WD. A critical look at methods for handling missing covariates in epidemiologic regression analyses. Am J Epidemiol 1995;142(12):1255-64.) 。この他にも、Post hoc の解析には、解析の信頼性を損ねる pitfall が多数存在します。
バイアスが生じると、正しい意思決定ができず、大きな損失につながる可能性があります。当社は、事前に規定された統計解析を精確に実施することは当然として、統計的に高度な技術を必要とする post hoc の探索的解析を正しく実施することに注力しております。正しい解析を行うことが難しい状況においてこそ、信頼性を高め、 pitfall を回避する手法が必要になります。ぜひ、お気軽にお問い合わせを頂ければと存じます。